PRODRIVE QUALITY / SPEC

公的基準以上のテストを実施

超高速で回転するホイールにとって精度というのはとても重要な要素である。わずかなブレでもステアリングには微振動が伝わり、車体の直進安定性を乱してしまうだけに、安全性にも関わってくる問題だ。※公的基準では精度に関する取り決めは行われていないが、プロドライブは、プロドライブクオリティの一角を占める重要なファクターとして、高精度確保に厳しい独自基準を設けている。

その基準とは、縦・横の振れがコンマ3mm以下であること。またホイール単体でのバランス量(バランサーにかけた際の回転重量バランス)が内側・外側合わせて30g以下であること。つまり、“寸法としての真円”のみならず“回転させた時のダイナミックバランスとしての真円”をも徹底追求しているのである。

この限りなく真円に近い精度を確保するためには、特殊な工程管理を行わないと到底成し得ることができない。そうして実現した精度は、時速200km/hを遙かに超えるフォーミュラカーのホイールに求められるものと同等とさえ言われている。それだけの精度を市販ホイールに与えるのはオーバークオリティかもしれないが、性能に直結する部分には一切妥協しない。それがプロドライブのスタンスなのである。

GC-014i

CG解析

GC-07J

精密な検証が行われる

製品に課せられる様々な試験

回転曲げ疲労試験

強度は、ホイールにとって最重要項目のひとつに数えられる。コーナリング中に発生する横Gによってホイールには大きな負荷が掛かり、それが繰り返されることによってホイールには疲労が蓄積する。その疲労に対する耐久性をテストするのが「回転曲げ疲労試験」だ。ホイールを試験機に装着し、曲げモーメントを加えながら回転させるこの試験を、プロドライブでは一般ホイールよりも過酷に使われる可能性を想定し、公的基準(JWLの技術基準 ※以下同)の20%増に相当する回転数で実施。その後、亀裂や著しい変形などがないかをチェックしている。

半径方向負荷耐久試験

半径方向負荷耐久試験ホイールには、走行中常に車重を支える縦方向の強い負荷がかかるため、それに耐えうるだけの耐久性がないと安全性を確保することはできない。それをテストするのが「半径方向負荷耐久試験」だ。試験装置にタイヤを組んだホイールを装着し、回転させながらドラムに押しつけるこの試験も、プロドライブでは※公的基準の20%増に相当する回転数で行っている。試験後に亀裂や著しい変形などがないかを確認することで、高い強度信頼性を証明しているのだ。

13度衝撃試験

万が一、道路の縁石などの突起物に斜め方向に衝突した時に、ホイールには強い衝撃力が加わる。その際に急激なエア漏れなどが起こらないかをテストするのが「衝撃試験」だ。規定重量の重りをホイールの上に落下させるこの試験を、プロドライブでは※公的基準より高い位置から行い、試験終了後に空気漏れ、亀裂やリムとディスクの分離などがないかを厳重にチェックしている。

90度衝撃試験

プロドライブでは※公的基準で定められている上記3項目の試験を規格より20%ほど高い厳しい環境下で行うと共に、独自に定めた試験を実施している。それが「90度衝撃試験」と「90度衝撃変形リムドラム耐久試験」だ。走行中にホイールに強い衝撃が加わったケースを想定して行なう、「90度衝撃試験」は、路面の段差やキャッツアイなど公道上で受ける最大級の衝撃を想定した重りを、リム部内側の規定位置に落下させ、有害な亀裂や異常がないかを詳細にチェックしている。

90度衝撃変形リムドラム耐久試験(17インチ以上の大口径ホイールに適用)

90度衝撃変形リムドラム耐久試験は、90度衝撃試験の要領で故意に変形させたホイールで、半径方向ドラム試験を規定回転実施。これはホイールがわずかでも変形すると変形部から金属疲労を起こし、エア漏れする可能性があるため、そのような状況下での耐性をチェックする目的で行なっている。これらすべてのテストをクリアしたものだけがプロドライブホイールとして商品化される。

これらプロドライブが独自に設けている試験は、実走行時に想定される様々な状況下でホイールに入力する負荷に対して、高い耐久性を確保するために行っている。

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